TOP > 支援先インタビュー > 組織の共通認識や良さを言語化し補完する客観的視点の重要性(株式会社カーボンフライ)
支援先インタビュー
株式会社カーボンフライ
取締役副社長 西田雅彦さん
2023.09.01
研究を社会実装するために立ち上げた会社が順調に成長し社員が増えていくと、組織としての課題が浮き上がってきます。そのひとつが給与をどのように決定し、その根拠として何をどのように評価するか、という課題。自社だけで制度を設計するのは難しいと感じる経営者は多くいます。株式会社カーボンフライはその手助けとして給与評価制度設計支援を利用し制度をつくりました。制度づくりのきっかけや目指す先について、同社の取締副社長西田さんが語りました。
カーボンフライは、カーボンナノチューブという素材を様々な製品へ活用することを目指して素材開発をしている会社です。メンバーが楽しみながら会社のビジョンへ向かって進んでいければという思いで日々事業活動に励んでいます。そんな中社員が増えてきて、ビジョン達成のために何を目的に頑張っていけばいいのか、もっと具体的に社員に示したほうがいいのではないかと思うようになりました。また、実力と担う役割や待遇がマッチしておらずバラつきがあることも少しずつ気になり始めました。本心で言えば評価なんてしたくないですが(笑)、問題がまだ表面化していない今のうちに仕組みや制度をつくっていかないと、この先バラつきの是正ができずどんどん難しい状態になってしまうだろうと。ただ、制度を設計しようにも、その等級を決めるためにどんな評価をすればいいのか、どのように決めればいいのかがわからずにいました。カーボンフライは研究開発型のベンチャーなので、研究・技術スタッフが多くいますが評価の仕方がわからず、社内で自分たちだけで考えていくには行き詰まるだろう、第三者の目線で壁打ちする相手が必要だと考えました。そこで、研究開発型ベンチャーの支援が得意なリバネスキャピタルにサポートを依頼することにしました。
まず、カーボンフライはどんなカルチャーの会社でどんなことを考えている社員がいるのか、社員インタビューからその特徴を言語化することから取り組みました。社員には入社の決め手や仕事において大切にしていることなどを社内の人事担当者が全社員にインタビューし、でてきた答えをグルーピングしました。それをリバネスキャピタルへ渡し、まとめて解析、言語化をするという流れを経て、特徴やカルチャーが明確になってきました。
評価の方法や評価基準は様々なタイプがあり、1つに絞るのは難しいと感じましたが、リバネスキャピタルが提案してくれることには納得性があり、自社が何を重視したいかを認識することができたので、適切な評価軸を決めることができました。リバネスキャピタルが自社の組織を客観視していいところを引き出してくれたから、納得できる提案になったのだと思っています。
今回目標管理を制度に取り入れたのですが、検討過程で部門間の目標の共有があまりできていなかったことがわかりました。そこから部門長会議を設けることにつながり、部門間の目標統一ができる仕組みとして評価制度が役立ちました。制度をつくったことで目標統一ができ、会社の目指す方向へみんなが向いていける、共通の羅針盤をもつことができるようになったという嬉しい副産物も得られました。また、社員がやっていることが会社の描く未来とずれがないか確かめる機会として評価制度を活用できると考えています。
頭の中でイメージできていても自社だけではなかなか難しい言語化できなかったところを助けてくれたり、引き出してくれたりとサポートしてもらってつくった制度が、組織の他の部分でもいい影響を及ぼしています。今後この制度をさらに自社らしい制度へと磨いていけるような運用をしたいと思っています。
研究や技術スタッフの評価をどうしたらよいかわからないという課題感から今回ご依頼いただきました。いろいろお話を伺ってみると、カーボンフライ様は会社のビジョンや経営者の考えに共感し、意欲のある社員が集まったまとまりのある組織だと感じました。一方で個性を尊重する文化もあり、いい個性を伸ばせるよう、またチームワークも大切にしていけるような仕組みができたらと思い制度を考えていきました。最終的には会社が目指す先にみんなが同じ方向性をもてる仕組みにまで展開できる制度となり、今後の成長が非常に楽しみです。(株式会社リバネスキャピタル 富田京子)
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