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リバネスキャピタル対談

「どんな質問でも投げてください」から生まれる価値

環境開発部門 リーダー 鈴木愛斗
投資開発部門 リーダー 渡辺桂子

2022.11.09

リバネスキャピタルの2つの柱である環境開発部門と投資開発部門。日々それぞれの現場で支援先に対応しているスタッフは、自らの仕事の価値をどう感じているのでしょうか。両部門のリーダーを務める鈴木愛斗と渡辺桂子に、その思いを聞きました。


創業期のベンチャーに必要不可欠な基礎づくり

お二人は、中途採用でまずリバネスに入社し、リバネスキャピタル設立と同時に転籍したメンバーです。そもそも、リバネスにはどんな経緯で入ったのでしょうか。

鈴木 私はもともと公務員を目指していて、最初は陸上自衛隊に入りました。その後、転職して事務職を経験し、再び転職を考えたとき、たまたまリバネスがバックオフィス系の人材を募集していまして。働いている人も楽しそうだし、経営陣も気さくな方ばかりで、ここで働きたいと2017年に入社しました。経理や総務を担当し、そのまま今へとつながっています。

渡辺 私は2019年の入社です。学生時代は高専とデザイン専門学校に通い、その後テストエンジニアなどを経て、前職は親の経営する建設設計会社でCADを扱う仕事をしていました。ただ、社長の娘という立ち位置は、今一つ仕事が進めにくくて……。そんな時に、友人に「あなたは物づくりや研究に関心があるから合うんじゃないかな」とリバネスを紹介されました。「全社員が修士か博士の研究者だから、面白いと思うよ」と。ただ、実際には社員の方々は自分が思っていた研究者のイメージとはかなり違って。

―どういうことですか。

渡辺 研究者というと、何か一つのことに集中する物静かな人というイメージでした。でも、入社の際、鈴木さんに「リバネスは動物園みたいだけど、大丈夫?」と聞かれたんです(笑)。

鈴木 「動物園」というのは、いろんなタイプの人たちがそれぞれが勝手に動き回る、にぎやかな場所といった意味でした(笑)。

渡辺 入社後は私も総務や経理の担当になったのですが、実際に入ってみたら「なるほど」と。リバネスは一人一人に「これを実現したい」「この課題を解決したい」という強い思いがあって、全員がそこに向けてまっしぐらに突き進んでいる集団なんですね。

その一方で、仕事に集中するあまり、飲んでいたペットボトルを置いてパソコンだけ持って席を移ってしまう人が珍しくなかったり、切手の代わりに収入印紙を封筒に貼ってしまう人がいたり……。何というか、すごく「わちゃわちゃ」している(笑)。でも、そういう人たちと日常的に接していることは、リバネスキャピタルで研究開発型ベンチャーを支援させていただく際にも間違いなく役に立っていますね。

―なるほど。今、リバネスキャピタルで、お二人が担当されているお仕事を教えていただけますか。

鈴木 私がリーダーを務める環境開発部門では、会社経営の基盤となる管理業務をサポートしています。リバネス本体のほか、現在は15社程度の支援先に対してきめ細かいサービスを提供しています。

中心は「経理支援」と「労務支援」で、前者では帳簿や会計ソフトへの記帳、支払調書の作成、振込業務や請求書発行業務の代行などを行っています。基本的にすべての会社で、日常的な経理から決算まで担当する形です。一方、労務支援では、給与計算や年末調整などのサポート、労務相談のほか、新しく給与制度や評価制度の設計支援も始め、カバー範囲が広がってきています。

―渡辺さんのほうは?

渡辺 私が担当する投資開発部門は、「投資育成」と「ブランディング支援」の2本が柱になっています。投資育成で私が担当している主な仕事は、投資を検討するための資料作成や、海外も含めたリバネスグループの投資内容の把握です。現在リバネスキャピタルでは、シード、アーリー期のテクノロジースタートアップを中心に37社に出資しており、それらに対して投資契約書のやり取りから決算状況の把握、株主総会への対応といった管理業務を行っています。

一方、ブランディング支援として、ロゴや名刺、ウェブサイトの作成などもサポートしています。特に創業期のベンチャーでは、投資家へのアプローチに不可欠なこうした素材が整っていないことが多い。その部分を支えるサービスです。

あらゆる質問を気軽に投げ込める場所

現在のお仕事のやりがいはどのあたりにありますか。

鈴木 リバネスキャピタルには、「失敗してもいいから、社員がやりたいことはできるだけやらせる」という社風があります。だから、自分次第でやりたいことにかなりの確率でチャレンジできる。私の場合は、それが仕事に飽きない大きな理由になっていますね。

渡辺 私は投資を担当し、企業のウェブサイトなどもつくらせていただいているので、さまざまなスタートアップと事業内容や目標についてお話しする機会が多いんです。その中で、例えば担当している会社のプレスリリースが話題になったり、開発していたプロダクトが実際に市場に出たりすると、「ああ、成長しているな」と。

―喜びを感じられる。

渡辺 はい。リバネスキャピタルの場合、投資といっても、目的はリターンを得ることではありません。私たちは「契りとしての投資」と考えていますが、そのベースには投資先を末永く見守り、一緒に歩んでいこうという考え方があります。そういう価値観の中で、実際に投資先の成長を目の当たりにできることは大きなやりがいです。

―そうした投資がスタートアップを前へ押し出す「攻め」の支援とすると、鈴木さんが担当する環境開発には土台を整える「守り」の面がありますね。

鈴木 そこを支えるのが、「とりあえず、どんなことでも私たちに相談してください」という姿勢です。

―どんなことでも?

鈴木 例えば経理なら、税理士や会計士のような専門家が大勢おられますし、最近ではクラウド会計ソフトなどの便利なツールもたくさんあります。でも、創業期のベンチャーは、登記にはじまり、経理でも人事でも法務でも、専門家の取り扱い範囲からこぼれ落ちる問題に数多く直面します。ところが、そういう問題を気軽に相談できる相手は非常に少ない。

渡辺 それは、私も支援先と接していてよく感じます。株主総会の予定をうかがったとき、逆に「株主総会っていつやればいいんですか」と聞き返されたり、「決算書は税理士に作ってもらったけど、これをどう使えばいいのかわからない」といった相談を受けるんです。皆さん「わからなくてモヤモヤしている」んだけど「どこに聞けばいいのかわからない」という疑問をたくさん抱えていらっしゃる。

鈴木 ですから、私たちは「とにかくどんな質問でも、われわれに投げてください」とお伝えしています。そうして投げ込まれる球を、できるだけ的確かつ臨機応変に打ち返したい。そのための体制もかなり整ってきています。

「どんな球でも打ち返す」に意志をもてる人

ー でも、それだけ多種多様な質問に答えるには、受け手側に多くの引き出しが必要ですね。

渡辺 一つは、リバネスキャピタルのメンバーがリバネスの中で年間を通した一連の経理業務などを経験してきたことが、大きなプラスになっていますね。

鈴木 リバネスももとはベンチャーなので、私たちは、そこでの経験が成功も失敗も含めて支援先の経営に役立つと考えているんです。創業者は一から道を拓かなければなりませんが、当社の経営陣にはまさに道なき道を歩んだ経験があります。また、社内で対応できないことは、リバネスと関係の深い外部の専門家に支援を求めることもできます。こうした臨機応変さ、柔軟さは、支援先にも評価されている自負があります。

渡辺 そうですね。実際、支援先からは、価格優先で選んだ外注先が問題に対処できず、「最初からリバネスキャピタルに頼めばよかった」といった声をもらうことがあります。すでに年数を重ねているベンチャーから「創業初期にリバネスキャピタルがあればどれだけ助かったか」と言ってもらえることも。

鈴木 私たちの仕事のニーズは非常に大きいはずですし、今後さらに拡大すると思っています。ならば、そのニーズに耐えられる組織を目指したい。そこで求めるのは、マルチタスクに対応できる人です。一つの分野にこだわるのではなく、当社が掲げる「どんな球でも打ち返す」に前向きな意志をもてる人。そういう人を育てることも、これからの目標です。

渡辺 私の目標は、常に先を見て動く経営陣と一般社員の間のハブになること。それによって会社の底力を上げることが、支援先を支える力にもなると思っています。多くの方から「会社の土台を固めるなら、リバネスキャピタルに頼むのが正解だね」といっていただける組織を目指したいと思います。

鈴木 はい、そこを目指して頑張っていきましょう。

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